無明むみやう)” の例文
一たび愛慾の迷路めいろに入りて、七五無明むみやう七六業火ごふくわさかんなるより鬼と化したるも、ひとへに七七なほくたくましきさがのなす所なるぞかし。
無明むみやうひとやの第一の輪の中にあり、我等は我等の乳母めのと等の常にとゞまる山のことをしばしばかたる 一〇三—一〇五
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
長順 止観の窓を押し開き、四教の奥に尋ね入れば、無明むみやうの流れは法相の大円鏡智と変りはすれ……
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
さういふところを通りぬけ、玉川に掛つてゐる無明むみやうの橋を渡つて、奥の院にまゐり、先祖代々の霊のために、さかんに燃える護摩ごまの火に一燈を献じた。これは自身の諸悪業あくごふをたやすためでもある。
仏法僧鳥 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
平田篤胤ひらたあつたねの俗神道大意に、真如しんによ無明むみやうハ生ズルトイフモイトイト心得ズ、真如ナラムニハ無明ハ生ズマジキコトナルニ、何ニシテ生ズルカ、其理コソ聞カマホシケレ……とあったのを覚えていますが
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
主はむべき哉、無明むみやうの闇や、にくみ多き
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
無明むみやうのあらし。
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)