無宿者やどなし)” の例文
ういふお慈悲なさけぶか旦那様だんなさまがおありなさるから、八百膳やほぜん料理れうり無宿者やどなしくだされるのだ、おれいまうしていたゞけよ、おぜんいたゞくことは、きさま生涯しやうがい出来できないぞ。
老女 ほんとうにそうだよ、わたしがまごつき歩いてるのも長いことさ、初めて無宿者やどなしになったときから。
「射っておやり、人助けになるよ、ほんとうに。無宿者やどなしなんか盗みでもするより芸がありやしない。盗みどころか、彼奴あいつ等はもっともっと悪いことをするんだよ」
乞食 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
クール・デ・ミラクル(訳者注 昔乞食や浮浪人らの集まっていたパリーの一部)の撞木杖しゅもくづえにすがって、棍棒こんぼうに変わり得る撞木杖にすがって歩いている。自ら無宿者やどなしと称している。
「けれど私たちは無宿者やどなしめる譯にや行かないよ。飛んでもないこつたよ。」