潮騒しほざゐ)” の例文
旧字:潮騷
太初はじめから「生命」を知らぬ砂山と、無窮に醒めて眠らぬ潮騒しほざゐの海との間に、三人の——生れたり死んだりする三人の男が居る。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
日あたりに杉の落葉を燃しつけて酒わかすの晴れの潮騒しほざゐ
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
心もともに、はためきて、潮騒しほざゐ高く湧くならむ
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
南湖院潮騒しほざゐひくし春もややけにつつありて人は果てたり
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
おきつ潮騒しほざゐすべりゆくふなばた近くむれつどふ。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
白波しらなみの、潮騒しほざゐのおきつ貝なす
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)