渾厚こんこう)” の例文
こういうとただ華麗かれいな画のようですが、布置ふちも雄大を尽していれば、筆墨ひつぼく渾厚こんこうきわめている、——いわば爛然らんぜんとした色彩のうちに、空霊澹蕩くうれいたんとうの古趣がおのずかみなぎっているような画なのです。
秋山図 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
さらにその深情、濃感、蘊籍うんせき渾厚こんこう、一読人をしてなみだおとさしむるに至るを覚う。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)