淡黄うすき)” の例文
几帳のぎぬが一枚上へ掲げられてあって、紫苑しおん色のはなやかな上に淡黄うすきの厚織物らしいのの重なった袖口そでぐちがそこから見えた。
源氏物語:52 東屋 (新字新仮名) / 紫式部(著)
さみしい好みの水浅葱みずあさぎ縮緬ちりめんに、あしの葉をあしらって、淡黄うすきの肉色に影を見せ、蛍の首筋を、ちらちらとあかく染めた蹴出しの色が、雨をさそうか、葉裏を冷く、さっと通る処女風むすめかぜ
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
吊橋の淡黄うすきなる瓦斯がすのもとを泣きゆく。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
淡黄うすきと、白と、肉色と
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
その中に十歳とおぐらいに見えて、白の上に淡黄うすきの柔らかい着物を重ねて向こうから走って来た子は、さっきから何人も見た子供とはいっしょに言うことのできない麗質を備えていた。
源氏物語:05 若紫 (新字新仮名) / 紫式部(著)
浅緑あさみどり淡黄うすき
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)