涙声なみだごえ)” の例文
おっかさんも顔色かおいろをかえました。おとっつあんは手みじかに、じつはこれこれだと、林太郎がいなくなったわけを話しました。するとおっかさんはもう涙声なみだごえになり
あたまでっかち (新字新仮名) / 下村千秋(著)
それまでだまって二人の話をきいていた朝倉夫人が、涙声なみだごえになって言った。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「あれ! お聞き、」と涙声なみだごえで、枕もあがらぬ寝床の上の露草の、がッくりとして仰向あおむけのさびしい素顔にべにを含んだ、白い頬に、あおみのさした、うつくしい、妹の、ばさばさした天神髷てんじんまげの崩れたのに
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
クリストフは涙声なみだごえさけんだ。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
と富士男が涙声なみだごえでいった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)