消磨しょうま)” の例文
こういう習慣は物事に執着して徹底的にそれを追究するという能力をなしくずしに消磨しょうまさせる。
一つの思考実験 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
父は二宮流にのみやりゅうに与えんと欲し、子は米国風べいこくふうに富まんことを欲した。そのため関家のあらそいは、北海道中の評判となり、色々の風説をすら惹起ひきおこした。翁は其為に心身の精力を消磨しょうました。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
悪人と云っても鬼畜ではない。良心を消磨しょうまし尽くすことは容易のことでは出来ないと見える。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
毎日生活力の収入以上を費やしてる人々、彼はその一人であった。幼年時代から彼は労働と貧困とに消磨しょうまされてきた。彼はあらゆる職業をやった、ガラス職人、鉛職人、印刷職人など。
形体の世界はことごとく消磨しょうましまた更新する。そして不滅なる音楽よ、ただ汝のみは過ぎ去らない。汝は内心の海である。汝は深き魂である。汝の清澄なひとみには、生の陰鬱いんうつな顔は映らない。