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浅黄裏
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あさぎうら
ふりがな文庫
“
浅黄裏
(
あさぎうら
)” の例文
切る積りかも知れないよ。俺にはそんな気がしてならねえ、——お茶屋へ始めて来たような
浅黄裏
(
あさぎうら
)
が、女中に一分の祝儀は出来すぎているぜ。ね、番頭さん
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
遊冶郎
(
ゆうやろう
)
がかッたるそうに帰って来る
吉原組
(
よしわらぐみ
)
の駕もあれば、昼狐につままれにゆく、勤番の
浅黄裏
(
あさぎうら
)
もぼつぼつ通る。午後の陽ざしに、
馬糞
(
ばふん
)
の
埃
(
ほこり
)
が黄色く立つ。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
勿論、主人持ちの小僧や、年寄りの
巾着
(
きんちゃく
)
なぞは狙わない。彼女が狙ったのは、
浅黄裏
(
あさぎうら
)
の、
権柄
(
けんぺい
)
なくせにきょろきょろまなこの勤番侍や、乙に気取った町人のふところだった。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
旧制度の中で忠実に、
粗衣粗食
(
そいそしょく
)
している武士というものの力である。江戸へ出れば勤番者だの、
浅黄裏
(
あさぎうら
)
だのと、野暮の代名詞にされている人々の支えだった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御守殿お茂与というのは一時深川の岡場所で鳴らした
強
(
したた
)
か者で、大名の留守居や、
浅黄裏
(
あさぎうら
)
の工面の良いのを悩ませ一枚
摺
(
ずり
)
にまで
謳
(
うた
)
われた名代の女だったのです。
銭形平次捕物控:114 遺書の罪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
「それからグイと
野暮
(
やぼ
)
に作った。本場の
浅黄裏
(
あさぎうら
)
の
拵
(
こしら
)
えで編笠茶屋のあたりをウロウロして居ると、来たね」
銭形平次捕物控:174 髷切り
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ひとを罵るのにもよく“
浅黄裏
(
あさぎうら
)
”だの“
勤番者
(
きんばんもの
)
”だのと云うくせがある。要するに、それは彼が、彼自身を洗練された都会人としている誇りからくるものだった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
五十前後の鬼が
霍乱
(
かくらん
)
を患ったような悪相の武家、眼も鼻も口も大きい上に、渋紙色の皮膚、山のような両肩、
身扮
(
みなり
)
も、腰の物も、
代表型
(
ティピカル
)
な
浅黄裏
(
あさぎうら
)
のくせに、声だけは妙に物優しく
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ちッ。……二本差の
浅黄裏
(
あさぎうら
)
だよ」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そんな気のきかない
浅黄裏
(
あさぎうら
)
じゃない、品川では
暖簾
(
のれん
)
の古い酒屋ですぜ」
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「まず、お国侍、五十前後の
浅黄裏
(
あさぎうら
)
かな」
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
浅
常用漢字
小4
部首:⽔
9画
黄
常用漢字
小2
部首:⿈
11画
裏
常用漢字
小6
部首:⾐
13画
“浅黄”で始まる語句
浅黄
浅黄色
浅黄繻子
浅黄幕
浅黄木綿
浅黄縮緬
浅黄無垢
浅黄地
浅黄服
浅黄鼠