洋燈ラムプ)” の例文
新字:洋灯
その中央まんなかに突立って、アカアカとした洋燈ラムプの光りのうちにトロンとしたを据えながら、ウソウソと隅の方の暗い所を覗きまわった。
斜坑 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ところが、それと同じ現象が、両端の温度と圧力に差異へだたりがある場合、中央に膨みのある洋燈ラムプのホヤや、鍵孔などにも現われるのだ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
今度は、ドイツ公使館へ来た或る外国人からの注文で、同じく洋燈ラムプ台であったが、趣は以前と違っておった。
ある家の洋燈ラムプの下に五六人車座になつて賽ころを振つてゐるのを見た。車やは其処で烟草を買つた。
山を想ふ (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
そのころの燈火は電燈よりも石油の洋燈ラムプが多かったはずだのにそんなに明るく感じたものである。
三筋町界隈 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
さうなると当人既に身あがりするほどの縁なんだから、居てもつても逢ひたくツて、たまりますまい。毎日夕刻洋燈ラムプける時分、油壷の油を、池の所へあけるんです。
いろ扱ひ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
股倉の間へ机を割り込んで片手に洋燈ラムプを持てばそれで万事が済んだものだ。
七二七 〔アカシヤの木の洋燈ラムプから〕
春と修羅 第三集 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
それは何に用うるかというと洋燈ラムプ台になるので、本国からの注文であるということ。高さは五尺位で一対。至急入用であるから、そのつもりにて幾金いくらで出来るかつもりをしてくれという。
それから石油洋燈ラムプの時代に移った、石油洋燈にも大小数々の形はあったが、大体釣ラムプと台ラムプの二つに分れている、夕飯などは大ていこの釣洋燈の下で一家うち揃って膳に向ったものである。
(またアラツデイン 洋燈ラムプとり)
『春と修羅』 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
アカシヤの木の洋燈ラムプから
春と修羅 第三集 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)