ほろ)” の例文
昔は天狗が人をさらって来ては掛けたので、この名があると云うているが、恐らく空葬の習俗がほろびた後に天狗に附会したものであろう。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
伏しておもう、某、青年にして世を棄て、白昼はくちゅうりんなし。六魄離るといえども、一霊未だほろびず、燈前月下、五百年歓喜の寃家えんかに逢い、世上民間、千万人風流の話本わほんをなす。
牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
渡天の途中しばしば女事で失敗したり、殊にはこの書の末段に、仏勅して汝懶惰にして色情いまだほろびざれども浄壇使者とすべし、汝もと食腸寛大にして大食を求む。
時ふれば金石きんせきもやがてほろびん
艸千里 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
もちろん、この事は古く内地にも行われた資料は残っているが、習俗としてははやくほろびてしまい、わずかに沖縄諸島に保存されたのである。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
伏して念う、某、青年にして世をて、白昼となりなし、六魄ろっぱく離るといえども、一霊いまほろびず、燃前月下えんぜんげっか、五百年歓喜の寃家えんかい、世上民間、千万人ばんにん風流の話本わほんをなす。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そしてこの習俗は時代とともに段々とほろび少くなったが、それでも各地にわたって古い面影を残している。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)