“油団”の読み方と例文
読み方割合
ゆとん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夜は光琳こうりん風の枕屏風まくらびょうぶのかげでねむり寒いときは朝めをさますと座敷のなかへ油団ゆとんをしいてゆみずを幾度にもはこばせて半挿はんぞうたらいで顔をあらう。
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
指されたあたりを源内先生が眼で辿って行くと、床に敷いた油団ゆとんの端が少しめくれ、その下から紙片のような白いものが覗出のぞきだしている。源内先生は、頷いて
その名残なごりに奥の部屋の古びた油団ゆとん冷々ひやひやと見えて、突抜けの縁の柱には、男の薄暗い形があらわれる。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)