沍寒ごかん)” の例文
窪地にスケート・リンクなどがあるくらゐだから沍寒ごかんはきびしいのであらう。崖の縁へ出ると漸く休憩所の一つを見出した。
日本ライン (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
蒙古人など沍寒ごかん烈風断えざる冬中騎して三千マイルを行きていささかさわらぬに、一夜地上にさば華奢きゃしゃに育った檀那だんな衆ごとく極めて風引きやすく
夜も更けると、さらに生物の棲まない世界のような沍寒ごかんの気が、耳も鼻も唇もほとんど無知覚にさせてしまう。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
沍寒ごかんと、霜と
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
沍寒ごかん大床おおゆかは氷を張つめたようである。泥舟はりゅうと一さつ氷気をいて相手の影へ迫った。
剣の四君子:04 高橋泥舟 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ライン遊園地もまだ完成しないで、自然の雑木原ぞうきはらに近い。窪地にスケート・リンクなどがあるくらいだから沍寒ごかんはきびしいのであろう。崖のふちへ出るとようやく休憩所の一つを見出した。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
沍寒ごかんの大河を裂くような一声が彼方あなたにあって——
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)