気随きまま)” の例文
旧字:氣隨
さるにても暢気のんき沙汰さたかな。我にへつらい我にぶる夥多あまたの男女を客として、とうとき身をたわむれへりくだり、商業を玩弄もてあそびて、気随きままに一日を遊び暮らす。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
このひとたちも花菊夫人におとらぬ気随きままな生活であったであろうが、頭の方は坊主だったから芝居行きに泣きわめきはないから無事だが、母屋おもやの内儀の方はそうはゆかない。
それをお前さんのように、ヤ人の機嫌を取るのは厭だの、ヤそんな鄙劣しれつな事は出来ないのとそんな我儘気随きままを言ッて母親さんまで路頭に迷わしちゃア、今日こんにち冥利みょうりがわりいじゃないか。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)