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殽
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さかな
ふりがな文庫
“
殽
(
さかな
)” の例文
殽
(
さかな
)
を買うにも主人の次には猫の分を取った。
残殽
(
あまり
)
を当てがうような事は決してなかった。時々は「猫になりたい」という
影口
(
かげぐち
)
もあった。
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
朝といえども省かない。
殽
(
さかな
)
には
選嫌
(
えりぎらい
)
をしなかったが、のだ
平
(
へい
)
の
蒲鉾
(
かまぼこ
)
を
嗜
(
たし
)
んで、
闕
(
か
)
かさずに出させた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
隣りの猫に
殽
(
さかな
)
を取られた不平咄、毎日の出来事を些細の問題まで洗いざらい落なく書き上げておる。
八犬伝談余
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「茗水渓頭買小船。」
吾妻森
(
あづまのもり
)
で陸に上つて蓑笠を買つた。「吾妻祠畔境尤幽。出艇間行野塢頭。筍笠莎蓑村店買。先生将学釣魚流。」網を打たせ、
獲
(
えもの
)
を
殽
(
さかな
)
にして飲んだ。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
この頃は
殽
(
さかな
)
を食する事
稀
(
まれ
)
なれば残りを
食
(
は
)
まする事もしばしばあらざればと心の中に思ひたり
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
▼ もっと見る
扇形の皿には各別種の
殽
(
さかな
)
を盛つてあつて、客は卓を旋廻して好む所の殽を取ることが出来た。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
準平は平素県令
国貞廉平
(
くにさだれんぺい
)
の施設に
慊
(
あきたら
)
なかったが、宴
闌
(
たけなわ
)
なる時、国貞の前に進んで
杯
(
さかずき
)
を献じ、さて「お
殽
(
さかな
)
は」と呼びつつ、国貞に
背
(
そむ
)
いて立ち、
衣
(
い
)
を
搴
(
かか
)
げて
尻
(
しり
)
を
露
(
あらわ
)
したそうである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
殽
部首:⽎
12画
“殽”を含む語句
酒殽
残殽
佳殽
殽核