段通だんつう)” の例文
それらはいずれも皆シナ製の花模様の羊毛段通だんつうが上に敷いてあって、その前には美しい唐木とうぼくの丈夫な高机たかづくえが置かれてある。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
象の周囲まわりをグルグル廻って見たが、胴も腹も古い細工で、塗直したようなところも見当らねえ。……もしそんなところがあるとすれば、あの段通だんつうの下。
窓が両開き硝子ドアであり、華麗のカーテンがかかって居り、床が護謨ゴム敷になって居り、煖炉の前にオリエンタルカラーの、段通だんつうが一面に敷いてあるのも、好ましい趣味でありましたよ。
そこは懲々こり/″\だよと口の内で云って、こちらへおいでとあごで招いて居ると、やがて来のは同じ年配で、御召の大縞の上着に段通だんつう織の下着、鼠緞子どんすの帯を締め、芸子潰しに銀のあばれよりという扮粧こしらえ
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
侍従医長はその前に敷いてあるチベット流の厚い敷物(花模様ある毛の段通だんつう)の上に坐って居ましたが、その前には高い綺麗な机が二脚並んである。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)