たけし)” の例文
芝生しばふを隔てて二十けんばかり先だから判然しない。判然しないが似ている。背格好かっこうから歩きつきまで確かにたけしだと思ったが、彼は足早に過ぎ去って木陰こかげに隠れてしまった。
二老人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
たけし氏の絵は今年はあまりふるわない。しかし、こういう風に、いい加減なところで収まってしまわないで、何かしら煩悶しているような未成の絵は、やはり頼母しいという感じを起させる。
二科会展覧会雑感 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)