此地こち)” の例文
それやこれやを種〻いろ/\と案じた末に浮んだは一年か半年ほど清吉に此地こち退かすること、人の噂も遠のいて我夫の機嫌も治つたら取成し様は幾干も有り
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
那地あち此地こちたづね居しが此所で御目に懸らうとは夢にも存ぜずと云時勝手かつてにて御花さん/\とよぶこゑの聞ゆるにぞ然らば後にと云捨て御花はやがて立去けりかくて忠八は三年ごしたづわびたるお花にはからずも今宵こよひめぐり逢たることなれば一時にかねてののぞみ足ぬと湯もそこ/\にして上り夕飯ゆふはん仕舞しまひお花の知せを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それやこれやをいろいろと案じた末に浮んだは一年か半年ほど清吉に此地こち退かすること、人の噂も遠のいて我夫の機嫌もなおったら取り成しようは幾らもあり
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)