正西まにし)” の例文
鳥はひんから、ひんからと、朗らかに囀ずる、登るに随って、蝙蝠岳はほぼ正西まにしに、間の岳は北西に、いずれも残雪白く、光輝を帯ぶ。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
風入かぜいれのまども、正西まにしけて、夕日ゆふひのほとぼりははげしくとも、なみにもこほりにもれとてさはると、爪下つました廂屋根ひさしやねは、さすがに夜露よつゆつめたいのであつた。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)