正目まさめ)” の例文
正目まさめに見るのはこれがはじめてだが、話に聞いていた悪性女の感じはどこにもない。少女といってもいいような初々ういういしい稚顔おさながおをしている。手足の形も未熟である。
鈴木主水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
此時主人は改めて大きくにッたりと笑って、其眼は客を正目まさめに見ながら
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
棟瓦むながはら千石船のしゆあを正目まさめ仰ぎて深き雑草あらくさ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
それさへ正目まさめにながめられて
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
その美しさを正目まさめで見たく、こうして東京を出て来たわけだったが。
生霊 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
正目まさめにかかる常世とこよべの
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)