樫材かしざい)” の例文
いわおも砕けよとばかり、躰当りをくれた。仕切戸は少しきしんだが、樫材かしざいの頑丈な造りで、もちろん壊れるようなけしきは微塵みじんもなかった。
風流太平記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
二つの反対に回る樫材かしざいの円筒の間隙かんげきに棉実を食い込ませると、綿の繊維の部分が食い込まれ食い取られて向こう側へ落ち
糸車 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
井戸桁いどげたにまで水車か船にでもなければ使わないような、がっしりした樫材かしざいが用いてあった。要するに何を見ても実に丈夫そうで、決してビクともしないような、頑固で不細工な仕組になっていた。
小さいけれども樫材かしざいの頑丈な小机と、小刀や各種ののみ糸鋸いとのこ、特別にあつらえたらしい小さなまんりき、三種類ほどのきりなどが道具で、材料は上質の象牙ぞうげと、鉛の延棒だけであった。
季節のない街 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
古くて飴色あめいろになった樫材かしざいのがっちりしたもので、上の二段は戸納、下段は左右とも抽出ひきだしになっている。もちろん薬がしまってあるのだろう、抽出の一つ一つに、薬品の名を書いた札がってあった。