槓桿こうかん)” の例文
槓桿こうかんにかけた天草の手が、かすかにかすかにふるえるのは、強敵と睨んだがためだろう? だが何にも聞こえないではないか!
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
自覚したる天才が、新たな未来を開拓せんとする時、現在を基点として一大転向を企図せんとする時、過去と全体とは彼の槓桿こうかんの上にのしかかってくる。
次第しだい/\に鐵車てつしや曳上ひきあげ、遞進機ていしんき螺旋形揚上機らせんけいやうじやうきとは反對はんたいに、後方こうほう巖石がんせき支臺さゝへとして、彈力性だんりよくせい槓桿こうかん伸張しんちやうによつて、無二無三むにむさん鐵車てつしや押上おしあげるのである。
クリストフがおのれの芸術の槓桿こうかんをすえるべき支点を見出し得るのは、まだここでではなかった。否彼はこの民族とともに、砂漠さばくの砂の中に埋没しかかったのである。
栓のように見えていた小岩は、穴倉の上置きの磐石を辷らせる、槓桿こうかんだったらしい。その槓桿を動かしたがために、穴倉の口が開いたのらしい。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
教えてやろう『槓桿こうかんの原理』そいつを応用したまでだ。……さあ今度は何にしよう。水鉄砲がいい! うんそうだ!
柳営秘録かつえ蔵 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)