トップ
>
枳殻垣
>
からたちがき
ふりがな文庫
“
枳殻垣
(
からたちがき
)” の例文
旧字:
枳殼垣
誰かこれを持っていたことがある、——僕はそんなことを思い出しながら、いつか書斎でも何でもない、
枳殻垣
(
からたちがき
)
に沿った道を歩いていた。
死後
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
此家
(
ここ
)
の隣屋敷の、時は五月の初め、朝な/\学堂へ通ふ自分に、目も覚むる浅緑の
此上
(
こよ
)
なく嬉しかつた
枳殻垣
(
からたちがき
)
も、いづれ
主人
(
あるじ
)
は風流を
解
(
げ
)
せぬ
醜男
(
ぶをとこ
)
か
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
十六七ぐらいに見える異様な洋服の少年が一人、
柏木
(
かしわぎ
)
の私の
家
(
うち
)
の
門口
(
かどぐち
)
に在る
枳殻垣
(
からたちがき
)
の
傍
(
そば
)
に立っていたが、私が門口を
這入
(
はい
)
ろうとすると、帽子を
脱
(
ぬ
)
いで丁寧にお辞儀をした。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
お六の金をさらった雪之助は自分の家へ持込むのが不用心と思ったので一とまず
枳殻垣
(
からたちがき
)
越しに、財布を隣の寺の境内に投げ込み、翌る日の朝行って始末をし、金は灯籠に
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
が、いくら歩いて行っても、
枳殻垣
(
からたちがき
)
はやはり僕の
行手
(
ゆくて
)
に長ながとつづいているばかりだった。
死後
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
平次はここに腰を
据
(
す
)
えて調べるのかと思うと、勝手口の表戸の締りだけ見て、至って簡単にきりあげ、最後に路地の突き当りの
枳殻垣
(
からたちがき
)
越しに、寺の境内の様子を眺めました。
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
人の入られぬ様に厚い
枳殻垣
(
からたちがき
)
を繞らして、本丸の跡には、
希臘
(
ギリシヤ
)
か何処かの昔の城を真似た大理石の家を建てて、そして、自分は雪より白い髪をドツサリと肩に垂らして、
露西亜
(
ロシヤ
)
の百姓の様な服を着て
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
岩吉は
枳殻垣
(
からたちがき
)
と建物の間を狭く抜けて、お六婆アの家の裏口へ廻って仰天しました。
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
竹林の外の
枳殻垣
(
からたちがき
)
は、見事に繁って猫の子ももぐれそうにはありません。
銭形平次捕物控:141 二枚の小判
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
枳
漢検1級
部首:⽊
9画
殻
常用漢字
中学
部首:⽎
11画
垣
常用漢字
中学
部首:⼟
9画
“枳殻”で始まる語句
枳殻
枳殻寺
枳殻籬