束藁たわし)” の例文
爼板まないたの出してあるは南瓜を祝うのです。手桶の寝せてあるはたがの切れたのです。ざるに切捨てた沢菴たくあんの尻も昨日の茶殻に交って、ささら束藁たわしとは添寝でした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
おなじ町の軒並び二町ばかり洲崎すさきの方へ寄った角に、浅草紙、束藁たわし懐炉灰かいろばい蚊遣香かやりこうなどの荒物、烟草たばこも封印なしの一銭五厘二銭玉、ぱいれっと、ひーろーぐらいな処を商う店がある
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
後は浪花節なにわぶしうなる声と、束藁たわしのゴシゴシ水のザブザブ。
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)