李逵りき)” の例文
戴宗たいそうのお国自慢は何かとつきない。宋江そうこうもすでに微酔気分である。ひとりまだまだ飲み足らないようなのは、黒旋風こくせんぷう李逵りきだった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小説には『水滸伝』の武松ぶしょう李逵りきなど単身虎を殺した者が少なからぬ、ただし上の(三)にも述べた通り虎の内にも自ずから強弱種々だから
黒旋風李逵りきさえもキリキリ舞いさせられる面白さにヒントを得て、かなり重量のある四文銭や、銭形平次の当時には、まだ通貨としての生命をもっていた
戴宗たいそうも居る。李逵りきも居る。こんな処を上品に言おうと思うたが何も出来ぬ。それから宋江が壁に詩を題する処を聯想した。それも句にならぬので、題詩から離別の宴を聯想した。
句合の月 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
これ実にいかなる無謀の匹夫黒旋風李逵りきといえどもその無謀には驚絶すべし。論者はよろしく梁山泊りょうざんぱくの世界を求めてこれに赴くべきなり。記憶せよ今日はこれ第十九世紀の文明自由の世界なることを。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
それからまた、李逵りきをよんで、云々しかじかで都へ行くが、宋江そうこうの身を、くれぐれ頼むとかたくいいつけ、もう一つ釘をさして言った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鉄の錫杖しゃくじょうをふりまわす花和尚かおしょう魯智深ろちしん、馬上に長刀をあやつる九紋竜史進。二丁のおのをかるがるとふる黒旋風こくせんぷう李逵りき
胡堂百話 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
場中の総立ちを見ると、李逵りきはほんとに暴れ出した。鼻血を出す者、手を折る者、一瞬、さんたんたる光景を現じ出した。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)