杉菜すぎな)” の例文
同じ「どこどこ続いだ」の遊戯も、土地によって土筆即ち花茎かけいもって行うところもあれば、また杉菜すぎな即ち葉茎ようけいを以てするところもあった。
君長は女を放してつるぎを抜いた。大夫の首は地に落ちた。続いて胴が高縁たかえんに倒れると、杉菜すぎなの中に静まっている自分の首をのぞいて動かなかった。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
小石原から立つ陽炎かげろうがゆらゆらと揺れる。砂原の杉菜すぎなの葉末に宿やどった露に、日光が光った。
父の俤 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
杉菜すぎな喰ふ馬ひつたつるわかれかな 関節
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
そうして、ふたのとられた行器ほかいの中には、新鮮な杉菜すぎなに抱かれた鹿や猪の肉の香物こうのものが高々と盛られてあった。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)