朱槍しゅやり)” の例文
三間柄の長い朱槍しゅやり約四百、徒士かちの郎党、足軽組の者、およそ、三百人あまりと数えられた。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朱槍しゅやり捕道具とりどうぐが並ぶ、向って右手の横寄りに番小屋があって、そこへ非人が詰めることになっている、首の梟しは大抵三日二夜に限ったものだが、捨札の方は三十日間立てっぱなし……
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
屋根廂やねびさしからななめさがりに、ぴゅッと一本の朱槍しゅやりが走って、逃げだしていく佐分利の背から胸板をつらぬいて、あわれや笑止しょうし、かれを串刺くしざしにしたまま、けやきみきいつけてしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朱槍しゅやり黒槍くろやりかしみがきの槍、とたんに、まくをはらって忍剣をつつんだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)