木版摺もくはんずり)” の例文
お豊は乗って来た車から急に雷門かみなりもんで下りた。仲店なかみせ雑沓ざっとうをも今では少しも恐れずに観音堂へと急いで、祈願をこらした後に、お神籤みくじを引いて見た。古びた紙片かみきれ木版摺もくはんずり
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
こんなことが木版摺もくはんずりにしてあるのだから、問題にもなんにもなったものではありません。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
審美書院しんびしょいんの自慢の木版摺もくはんずりの色でみると、千年の間土にうもれていて、今また陽光を浴びた八戒は、あざやかなしゅと黄色との着物を着て、一、二年前に描かれたような色彩のまま保存されていたのである。
『西遊記』の夢 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
とよは乗つて来た車から急に雷門かみなりもんりた。仲店なかみせ雑沓ざつたふをも今ではすこしもおそれずに観音堂くわんおんだうへと急いで、祈願きぐわんこらしたのちに、お神籤みくじを引いて見た。古びた紙片かみきれ木版摺もくはんずり
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)