木履きぐつ)” の例文
見卸せば、ペツポのをぢ例の木履きぐつを手に穿きて、地上にすわり居たり。この人にかく近づきたることは、この年頃絶てなかりき。
にんじんは、面白おもしろがっている。例のすみっこにしゃがんで、盲人の木履きぐつを眺めている。それがだんだんけて行くのである。そして、そのまわりには、もう、みぞが描かれている。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
あるは、木履きぐつき惱み、あるは徒跣はだしぬす
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
歌楽し、鳴らす木履きぐつに……
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
マルチノ思ひ定めかねて、僧たちとはからんとていぬる折柄、ペツポのをぢは例の木履きぐつを手に穿きていざり來ぬ。
すると、もう子供たちがやって来て、かけがねをゆすぶっている。下のほうをこじけようとする。はじめは遠慮がちに、だが、しまいには、いまいましそうに、木履きぐつり散らす。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
あるは、木履きぐつき悩み、あるは徒跣はだしぬす
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
かろき木履きぐつのすががき。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
溜息をく。急に逃げ出す。四つの木履きぐつを空まで鳴り響かせ、やがて消えせる。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)