朝家ちょうけ)” の例文
しかればすなわち、かつは神道の冥助めいじょにまかせ、かつは勅旨の旨趣しいしゅを守って、早く平氏の一類を亡ぼして、朝家ちょうけ怨敵おんてきを退けよ。
源氏にも朝家ちょうけの政治に携わる上に心得ていねばならぬことをお教えになり、東宮をおたすけせよということを繰り返し繰り返し仰せられた。夜がふけてから東宮はお帰りになった。
源氏物語:10 榊 (新字新仮名) / 紫式部(著)
例に引くのははばかりがあるが、朝家ちょうけはれの御式にも女性がこれに参加し、単に盃酌はいしゃくの間に給仕するのみならず、「ワタクシも酔ひまゐらす」ということが、その人々の日記には見えている。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
是は暦法の確立とともに、朝家ちょうけの祭祀が次第に公事化くじかして行く中でも、なお予期せられざる神の来臨が、まれならずあったことを意味し、いわば信仰の最も活気ある部分であったように思われる。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)