有升ありまし)” の例文
其中に、一円の金貨が六ツか八ツも有升ありましたがお祖父ぢいさまはやがて其ひとつをとりいだして麗々とわたしの手のひらのせくださつた時、矢張冗談じようだんかと思ひました。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
さて私の誕生日も過ぎて一週間あとになつた時までも銀貨は銅貨とも/\例の絹の袋に居残つて手をつけずに有升ありました。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
私のじき近処に塩煎餅しほせんべいを売つて細々暮らしを立てゝ居た可愛さうな後家が有升ありましたが、母は家政を整へて次には貧民の面倒を見ることを義務つとめにして居た人ですから
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)