月輪げつりん)” の例文
にしきの帯を解いた様な、なまめかしい草の上、雨のあとの薄霞うすがすみ、山のすそ靉靆たなびうち一張いっちょうむらさき大きさ月輪げつりんの如く、はたすみれの花束に似たるあり。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そしてそこから、さかんに予現の断片を投下しながら、彼らは一つにつながって、太陽と月輪げつりんの周囲を乱舞しだした。遊星の軌道ブデアクは一定した。
ヤトラカン・サミ博士の椅子 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
その幕の表面に、一丈の月輪げつりんが輝いているのだ。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
わがねがふところを月輪げつりんも知らぬ。
佐藤春夫詩集 (旧字旧仮名) / 佐藤春夫(著)
日輪にちりん月輪げつりん
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)