曲亭馬琴きよくていばきん)” の例文
これは何も黄表紙きべうしだの洒落本しやれぼんだのの作者ばかりではない。僕は曲亭馬琴きよくていばきんさへも彼の勧善懲悪くわんぜんちやうあく主義を信じてゐなかつたと思つてゐる。馬琴は或は信じようと努力してはゐたかも知れない。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ざうする菊塢きくうの手紙には、うめ一枝いつしゑがきて其上そのうへそのの春をおわかまをすといふ意味の句あり、また曲亭馬琴きよくていばきんめいしつしてのち、欝憂うさを忘るゝためにおのれと記臆きをくせし雑俳ざつぱいかきつらねて、友におくりしうち
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)