暴騰ぼうとう)” の例文
ひどい旱魃かんばつがつづいて、諸国窮民きゅうみんにみち、道にあわれな屍臭ししゅうが漂い、都下の穀物は暴騰ぼうとうし、ちまたの顔は干からび、御所の穀倉すら貢物こうもつなく
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
八軒も廻らなければならないようないそがしいことがあると言って、月々に暴騰ぼうとうする米価や物価などは深く念頭に置いていないようにも思われた。
老人 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
製品の価格を不法に吊上つりあげ、大多数の消費者たる無産階級を層一層物価の暴騰ぼうとうに由ってくるしめる結果を生じます。
階級闘争の彼方へ (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
私たちの日常生活の第一の必要品である食物までを法外に暴騰ぼうとうさせているのを見ると、如何なる名義の下にも、財力の集中と濫費が人類生活を危険にする事が想われ
三面一体の生活へ (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)