智利チリ)” の例文
水晶などにしても、近頃は智利チリから沢山輸入されるが、日本の水晶に比べると、智利チリのはあまりきれいに透きとおり過ぎている。
陰翳礼讃 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
例えば第一回は白耳義ベルギー、第二回は和蘭オランダ、第三回は智利チリ、第四回はキューバ、昨年の第五回は瑞西スイッツルというがごとし。
そのM・A・ロスコー氏の足跡は西班牙スペイン土耳古トルコ智利チリ、日本、等々々の一二等書記官どころを転々し、最後に支那、香港ホンコンの領事として着任しているようですが
S岬西洋婦人絞殺事件 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
我々は、我々の秘密錨地である智利チリ領ラパヌイ群島中のアーレマン島において、我々の同志なる独逸系智利人たちの手によって、充分なる燃料食糧等の補給を受けた。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
そういう協力は、加奈陀カナダと合衆国との間には、以前から行なわれているが、印度インドとヒマラヤ諸王国間にも、またアルゼンチンと智利チリとの間にも成立することになっている。
運河のほとりの風車。白い雲。夏草。林。少女。犬。てふ。そして終始彼から十メートルとは離れずにせまつて来た智利チリ人のプラザ。頬骨ほゝぼねの出てゐる浮世絵の人物のやうな日本のヤマダ。
亜剌比亜人エルアフイ (新字旧仮名) / 犬養健(著)
(家郷への路ははるかに遠くその想いを断ち、太平洋上に日暮れててすりにもたれてながむ。日は沈み、智利チリの山々も見えず、新月のかぎのごときがかかって、よろずの思いが湧き起こる。)
南半球五万哩 (新字新仮名) / 井上円了(著)