早世そうせい)” の例文
宗助と小六の間には、まだ二人ほど男の子がはさまっていたが、いずれも早世そうせいしてしまったので、兄弟とは云いながら、年はとおばかり違っている。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
此の敦忠が天慶六年に早世そうせいしてからは、禁中で管絃の御遊ぎょゆうがある時は博雅三位がなくてはならない人になり、三位に差支えがあるとその日の御遊を中止し給うようになったが
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
粕谷の彼はってお馨さんと彼等の干繋かんけいを簡単に述べ、父者人に対して卑怯なる虚言の罪を謝し、終に臨み、お馨さんの早世そうせいはまことに残念だが、自身の妹か娘があるならば
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
五代目か七代目(六代目は早世そうせい)かの団十郎が助六の当り狂言より、この助六を思ひ浮べ、売り出せりとも聞きしが、その人もなく、吾が筆記も焼け、確定しがたき説となつた。
江戸の玩具 (新字旧仮名) / 淡島寒月(著)
その良人おっとが惜しまれる腕を残して早世そうせいするとともに、子供だいじに後家をたてとおすべきだと、涙とともに一心に説いた父、作阿弥の言をしりぞけて、自らすすんで某屋敷へ腰元にあがり
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
栄吉氏の弟に豊次郎という人があったが、これは早世そうせいしました。