日間ひるま)” の例文
「そんなことはありませんが、私は、家も無い、何も無い、姐の家に世話になって、それで、日間ひるまは親類の舗へ出ているものですから」
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
こと日間ひるまは昨夜の花があか凋萎しおたれて、如何にも思切りわるくだらりとみきに付いたざまは、見られたものではない。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
と、物の気配がして寝室のとばりを開けて入って来た者があった。許宣はびっくりしてその方へ眼をやった。そこには日間ひるまのままの白娘子のなまめかしい顔があった。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
日間ひるま通る時、彼はつねに赭くうなれた昨宵ゆうべの花の死骸を見た。学校の帰りが晩くなると、彼は薄暗い墓場の石塔や土饅頭の蔭から黄色い眼をあいて彼をのぞく花を見た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
この李仁は南廊閣子庫なんろうかくしこ幕事ばくじであった。許宣はその李幕事の家にいて、日間ひるま官巷かんこうで薬舗をやっている李幕事の弟の李将仕りしょうしという人の家へ往って、そこの主管ばんとうをしていた。
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
朝顔の花一ぱいにたまる露の朝涼ちょうりょう岐阜ぎふ提灯ちょうちんの火も消えがちの風の晩冷ばんれい、涼しさを声にした様なひぐらし朝涼あさすず夕涼ゆうすずらして、日間ひるまは草木も人もぐったりとしおるゝ程の暑さ、昼夜の懸隔けんかくする程
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
この李仁は南廊閣子庫なんろうかくしこ幕事ばくじであった。許宣はその李幕事の家にいて、日間ひるま官巷かんこう薬舗くすりみせをやっている李幕事の弟の李将仕りしょうしと云う人の家へ往って、そこの主管ばんとうをしていた。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)