日章旗にっしょうき)” の例文
日章旗にっしょうきのひるがえる商船しょうせんとか、そんなような、きよらかで、ほがらかなうちにもさびしい、けしきがかぶのだよ。
兄の声 (新字新仮名) / 小川未明(著)
壁が崩れ落ちたと思うところに、日章旗にっしょうき交叉こうさした間に勘亭流かんていりゅうで「祝開店、佐渡屋さん」と書いたびらをつるして隠してあるような六畳の部屋だった。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
日露開戦、八日の旅順と九日の仁川じんせんとは急雷のように人々の耳を驚かした。紀元節の日には校門には日章旗にっしょうきが立てられ、講堂からはオルガンが聞こえた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
間もなく、今は日章旗にっしょうきの翻る熱帯の島、シンガポールで、なつかしい兄とも会えるだろう。
秘境の日輪旗 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)