日向守ひゅうがのかみ)” の例文
日向守ひゅうがのかみとは毎度会いはいたして来たが、戦場で会うは初めて。大将と大将とが、じきの太刀打ちいたすも、数日のうちにある。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほどよく浩然こうぜんの気を養いあそばしつつ、お昼食は三河島みかわしま村先の石川日向守ひゅうがのかみのお下屋敷、そこから川を越えて隅田村に渡り、大川筋を寺島村から水戸家のお下屋敷まで下って
いけはたの下邸に尾張侯、酒井日向守ひゅうがのかみ、酒井大学頭、松平摂津守せっつのかみなどを招いて恒例の具足祝いをしたが、酒狂乱舞のさなか、見あげるような蓬莱山ほうらいさんのつくりものを据えた十六人持ちの大島台おおしまだいかつぎだし
鈴木主水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
御かいしゃくは浅井日向守ひゅうがのかみ
盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
日向守ひゅうがのかみ様の御内、伊勢与三郎貞興さだおき侍頭さむらいがしら進藤半助しんどうはんすけとはそれがしのことよ。主人貞興は、はやお討たれなされた。この半助も、生きて何かせん。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「中国でお暇をいただく折、日向守ひゅうがのかみに会うたら申し伝えよと、筑前どのからお言伝ことづてを頼まれておりましたので——」
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丹波一国を領して、身は亀山の城に君臨し、位階は従五位下、族を惟任これとうと改め、日向守ひゅうがのかみに任官なされて、天下の府、安土あづち奉行衆の一席をも占めておられる。
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
四方田しほうでん政孝は、主人の日向守ひゅうがのかみ光秀にささやいた。湖畔の城、坂本城が、もう一行のまん前に見えたときである。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「けれど、日向守ひゅうがのかみには平常もずいぶん慇懃いんぎんな方で、人いちばい謙虚に見うけられましたが」
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「どうしてその折、日向守ひゅうがのかみが大それたことを仕でかす気ぶりでも、その動作やことばの端でもわからなかったか。聞けば日向守としては不審な連歌れんがも詠まれたとかいうではないか」
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
毎々、三河を脅やかしている鈴木日向守ひゅうがのかみ寺部てらべの城を攻めた時である。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)