斬込きりこ)” の例文
と、ふだんの通りの快活な口のきき方で、斬込きりこんで来た。何とかうまくひっぱずそうと思ったが、手痛い冗談だったので、澤は咄嗟とっさに返事が出来なかった。
九月一日 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
情郎いろおとこは居ないか、その節邪魔にすると棄置かんよ、などとおお上段に斬込きりこんで、臆面おくめんもなく遊びに来て、最初は娘の謂うごとく、若山を兄だと思っていた。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
水兵すいへいヒラリとかはすよとに、こし大刀だいたう※手ぬくてせず、猛狒ゴリラ肩先かたさき斬込きりこんだ。
いろ/\の話の中に英人が薩摩湾に碇泊ていはく菓物くだものが欲しいと云うと、薩摩人が之を進上する風をしてその機にじょうじて斬込きりこもうとして出来なかったと云うような種々しゅじゅ様々な話がありますが
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
(いよいよ斬込きりこみとなったなら鉄砲なんか何の役に——)
近藤勇と科学 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
僕は鋭く斬込きりこんだ。
宇宙尖兵 (新字新仮名) / 海野十三(著)