はすか)” の例文
所が、その日の夕方になって、杉江が二階の雨戸を繰ろうとし、不図はすかいの離れを見ると、そこにはてんで思いも付かぬ異様な情景が現れていた。
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
画には、大理石の表にその色絹やハイヤシンスや青磁色の壺がはすかひにつや/\してうるんで写つてゐた。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
勢いよく叩きつけられた山伏の手から、物騒な直刃すぐは戒刀かいとうが、群集の足下へはすかいに飛んだ。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)