ほし)” の例文
されど告げよ、この物體にありて、かの下界の人々にカインの物語をさしむる多くの黒きほしは何ぞや。 四九—五一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
中には卵のやうに滑らかで、或ひは白く、或ひは赤いほしが入つたりしてゐます。又中には薔薇色をした口の傍に、拡げた指のやうな、長いギザ/\を持つたものがあります。
その顏のぐるりにまるで黒い手巾ハンカチでも卷きつけたやうな頬髯を生やしてゐるだけなんだけれど、そのトレゾールの方は、顏から口もとがほんとに尋常で、額のまんなかに白いほしがあるんだもの。
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
色は紫がかつた赤だが、下唇の中頃に明い黄色の大きなほしがある。これが今云つたしるしで、よく目につくやうになつてゐる。此のしるしが、此処は鍵穴だよと云つてゐるのだ。
此の白地に黒い筋が入つて、黒いほしが三つある蝶はもんしろてふと云ふのだ。