文観もんかん)” の例文
旧字:文觀
じつにさまざまな人だったが、硫黄いおう島からよび戻された僧の文観もんかんやら、讃岐さぬきの配所にいた宗良むねなが親王などもそのうちのお一人だった。
東寺とうじの長者、文観もんかん上人の侍者じしゃです。それが浄土寺と東寺とうじのあいだを、ひそかに往来いたしたもようなので」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また、いくばくもなく、南都に遊び洛内にじゅうし、いつか東寺とうじ長者ちょうじゃ、醍醐の座主ざすにまで補せられて、四曼三密しまんさんみつ棟梁とうりょうと、人もゆるし、みずからもすこの文観もんかん
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
去年、硫黄いおう島から帰されてきた文観もんかん僧正の供人の列なども、しばしば門を出入りしていた。
よほどソリの合わない仲とみえる、忠顕の口にかかっては、さしもの朝廷僧文観もんかんも、密教の邪淫の秘法を後宮に行う破戒堕落の悪僧にすぎぬとばかり、あたまからくそみそな評価なのである。
すぐ前月の六月には、六波羅からこの鎌倉表へ、——日野俊基としもとをはじめ、宮方陰謀の重大犯とみなさるる僧の文観もんかん、忠円、知教ちぎょう遊雅ゆうが円観えんかんなど——あまたな縄付がぞくぞく押送おうそうされていた。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さきにとらわれて、硫黄島いおうとう流しとなった、小野ノ文観もんかんとも親交がある。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ははあ、これが聞き及ぶ文観もんかんだな。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小野ノ文観もんかん僧正そうじょう
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)