敵陣てきじん)” の例文
おおきくひらいたかおがだるまのようになって、敵陣てきじんがけて、一塊ひとかたまりとなって、んでいった友軍ゆうぐん姿すがたが……。
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
今走者と球との関係を明かにせんに走者はただ一人敵陣てきじんの中を通過せんとするがごとき者、球は敵の弾丸だんがんのごとき者なり。
ベースボール (新字新仮名) / 正岡子規(著)
「その意気いきをもってするからには、たとえ敵陣てきじんのかこみのうちに、無念むねんおにとなろうとも、わしは心残こころのこりではない」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なに敵陣てきじんへ飯食いにまいるか」
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
「え?」思わず目をみはった彼女の前に、ヒラリとおどりあがってきたのは、いつのまにここへきたのか、さっきまで采配さいはいをとって敵陣てきじんにすがたをみせていた小幡民部こばたみんぶであった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
敵陣てきじんへ飯食いに
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)