支那錦しなにしき)” の例文
桜の色の支那錦しなにしき直衣のうし、赤紫の下襲したがさねすそを長く引いて、ほかの人は皆正装のほうを着て出ている席へ、えんな宮様姿をした源氏が、多数の人に敬意を表されながらはいって行った。
源氏物語:08 花宴 (新字新仮名) / 紫式部(著)
柱にかけるばんなども特別にお選びになった支那錦しなにしきで作られてあった。紫夫人の手もとで調製された花机かきおおいは鹿染めを用いたものであるが、色も図柄も雅味に富んでいた。
源氏物語:38 鈴虫 (新字新仮名) / 紫式部(著)
なんというりっぱな姿であろうと見えたが、六条の大臣は桜の色の支那錦しなにしき直衣のうしの下に淡色うすいろ小袖こそでを幾つも重ねたくつろいだ姿でいて、これはこの上の端麗なものはないと思われるのであった。
源氏物語:29 行幸 (新字新仮名) / 紫式部(著)