擦傷かすりきず)” の例文
「それはいけない、大いにいけない、擦傷かすりきずから大事になる、膏薬こうやく、膏薬、膏薬をお張り。……彦兵衛さんや、出しておあげ」
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
首に一ヶ所頭の真中に大傷其処此処に擦傷かすりきず等数多あり、のどつかみ潰せし如き傷○衣類大名縞単物ひとえもの、二タ子唐桟ことうざん羽織但紐附、紺博多帯、肉シャツ、下帯、白足袋
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
又右衛門は擦傷かすりきずを受けただけである。四十一歳で死んだというが、鳥取藩私史と渡辺家記とから考えると後まで城内深く留めておいたものらしい。墓は鳥取市外の玄忠寺にある。
鍵屋の辻 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
駕籠の傍へ手をついたのは、なるほど、九死一生と見えて髪は乱れ、白い着物は裂け、身体じゅう突傷つききずだの擦傷かすりきずだので惨憺さんたんたるもので、その上に右の片腕が一本無い男であります。
「はい、アノ、あちこち擦傷かすりきずを……」
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)