搗栗かちぐり)” の例文
吉例により乾雲丸と坤竜丸を帯びた一、二番の勝者へするめ搗栗かちぐりを祝い、それから荒っぽい手料理で徹宵てっしょうの宴を張る。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
家でも正月だけは集まってこれを食べたと見えて、干柿ほしがきかや搗栗かちぐりというような、今はお菓子といわない昔の菓子が、三方折敷さんぼうおしきの上に鏡餅かがみもちと共にかならず積みあげられる。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
おのづから干て搗栗かちぐりとなりてをる野の落栗の味のよろしさ
みなかみ紀行 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
昆布こんぶは今でも関西地方の嗜好品として行われているが、なまかや搗栗かちぐりを食う人はもうなくなった。熨鮑のしあわびのごときは、子供はもう食う物なりや否やをさえ知らぬ。多くの人は見たことも無いであろう。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
おのづから干て搗栗かちぐりとなりてをる野の落栗の味のよろしさ
みなかみ紀行 (新字新仮名) / 若山牧水(著)