掻払かいはら)” の例文
旧字:掻拂
それを掻払かいはらうごとく、目の上を両手で無慚むざん引擦ひっこすると、ものの香はぱっと枕にげて、縁側の障子の隅へ、音も無く潜んだらしかったが、また……有りもしない風を伝って、引返ひっかえして
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(この時人々の立かかるを掻払かいはらう)六根清浄ろっこんしょうじょう、澄むらく、きよむらく、清らかに、神に仕うる身なればこそ、このよこしまを手にも取るわ。御身おみたちが悪く近づくと、見たばかりでも筋骨すじぼねを悩みわずらうぞよ。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)