排撃はいげき)” の例文
その外のあたり人にびて退いて人をそしるとか、表面うわべで尊敬して裏面りめん排撃はいげきするとか社会の人に心の礼のない事は歎ずるに余りあり。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「雁金さんはそう仰有おっしゃるですが、どうしてもあの覆面探偵は怪しいですよ」と大江山はまたしても、青竜王排撃はいげきの火の手をあげているのであった。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それは、その当時天皇機関説きかんせつ問題なるものが起り、私がその機関説論者の一人なりとして排撃はいげきされたのである。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
現存秩序での特権階級やそれに満足している者は革命を排撃はいげきするし、不満な者や被抑圧階級はそれを讃美さんびするのが常である。革命は人間の社会に必然不可避だという説もある。
政治学入門 (新字新仮名) / 矢部貞治(著)
或る小説家や批評家は、科学小説を小説的価値のないものとして排撃はいげきしている。しかし僕に云わせれば、彼等は識らざるがゆえに排撃しているのである。
『地球盗難』の作者の言葉 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「全く、君のために特別に作られた舞台のようなのだ。しかし先入主はあくまで排撃はいげきしなけりゃいかん」
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
何故に名医白石博士を謝絶したのであるか。生命をかけてまで、排撃はいげきしたのであるか。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)