手炉しゅろ)” の例文
旧字:手爐
瀟々しょうしょう、外の雨声ばかりで、寒室のしょくは、油も凍るか、いとど火色も細い。火の気といっては、家康の側に、手炉しゅろ一つあるきりだった。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一、空想によりて俳句を得んとするには、兀坐ごつざ瞑目めいもくして天上の理想界をえがき出すも可なり。机頭きとう手炉しゅろようして過去の実験を想ひ起すも可なり。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)