手交しゅこう)” の例文
それと茶店に待たせてある何濤が、直々じきじき知事に面接して、公文手交しゅこうの手続きをとれば、もう万事は休すです。……即刻、ここはお立ち退きあるがいい
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ゴンゴラ総指揮官は、ついに白紙命令書百枚を金博士に手交しゅこうして、博士の手腕に大いに期待するところがあった。
はいって来ると、名刺を一々運転手君にまでうやうやしく手交しゅこうした。しそうと知ってしたのならば美しいことだと微笑された。またそれほど黒背広の運転手君もひとかどの紳士らしく見えた。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
進士しんし作左衛門が云い出すまでもなく、この十九日附け発令で、安土から明智家に手交しゅこうされた軍令状というものは、光秀のみならず全家中をして、憤怒ふんぬせしめたものだった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(警視庁において、タイプライターでうった原文を手交しゅこう
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)